高配当銘柄として人気があるSPYDが2020年9月配当を発表しました。残念ながら前回6月に引き続き、減配となってしまいましたので、内容について解説します。
米国高配当投資信託SPYDとは
SPYDの概要
SPYDとは米国大手資産運用会社であるステート・ストリート(State Street)が販売している投資信託で正式名称は「SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPDR Portfolio S&P 500 High Dividend ETF)」となっております。
米国市場に上場している中から高配当銘柄(最大80銘柄)をステート・ストリート社が選択して運用している商品となっています。
その名前から分かる通り高配当株に限定した投資信託となっており、年4回(3月、6月、9月、12月)配当のETFです。
ちなみにETFとは上場している個別銘柄(A社、B社、C社など独立した株式)を運用会社がその運用目的に基づき取捨選択した詰め合わせパックのようなものです。このETFにも大きく分けてインデックス型とアクティブ型の2種類があります。
インデックス型は日経平均やTOPIX、ダウ平均やSP&500、NASDAQなどの指数に基づき運用されるものです。特徴としては人件費などがかからないため低コストで運用ができますが、あくまでも株式指数と連動した運用となるため大きな値上がりは狙えないと言われています。
一方、アクティブ型はインデックス型よりもリスクを取った運用方法となります。運用会社が設定したベンチマークを上回るよう運用を行いますが、コストをかけて運用するため費用は掛かかります。
SPYD手数料
SPYDの手数料ですが、こちらはかなり安いといっていいのではないでしょうか。よく競合として比較されるiシェアーズ・コア 米国高配当株 ETF(HDV)は0.08%となっているので遜色のない水準となっています。
2020年9月の配当内容
今回の配当内容についてご紹介いたします。
9月配当内容
2020年9月18日に発表された9月配当の内容は下記の通りです。
このように残念ながら前回と比べて△27.9%と大幅に減少してしまいました。これはコロナショックにより企業業績が回復しておらずSPYD構成銘柄の減配が起こったからです。
SPYD組み入れ銘柄
SPYDの組み入れ銘柄上位20(2020年9月17日現在)をご紹介いたします。ご覧いただくと分かる通りSPYDの組み入れ銘柄上位は不動産、素材、金融などの比率が高くなっています。
これがETFの目的が高配当銘柄に焦点をあてているため、おのずと配当が高い歴史的企業(手堅い企業)に投資することとなります。
今回コロナショックによる景気後退で金融、不動産、素材はその影響を大きく受けている産業にあたります。ご存じの通りナスダック銘柄は暴落後急速に価格を戻しましたが、この3業種についてはいまだ回復の途上にあります。
順位 | 企業名 | ティッカー | セクター | 比重(%) | 持ち株数 |
1 | Leggett & Platt Incorporated | LEG | 一般消費財 | 1.517283 | 693,800 |
2 | Xerox Holdings Corporation | XRX | 情報技術 | 1.510311 | 1,592,875 |
3 | Ventas Inc. | VTR | 金融 | 1.495923 | 696,907 |
4 | ViacomCBS Inc. Class B | VIAC | 通信 | 1.483524 | 1,007,233 |
5 | Public Storage | PSA | 不動産 | 1.454630 | 134,491 |
6 | Broadcom Inc. | AVGO | 情報技術 | 1.451967 | 81,522 |
7 | Dow Inc. | DOW | 素材 | 1.451474 | 58,5058 |
8 | Simon Property Group Inc. | SPG | 不動産 | 1.440070 | 411,604 |
9 | International Paper Company | IP | 素材 | 1.429693 | 684,843 |
10 | LyondellBasell Industries NV | LYB | 素材 | 1.415409 | 363,948 |
11 | Federal Realty Investment Trust | FRT | 不動産 | 1.390713 | 341,567 |
12 | CF Industries Holdings Inc. | CF | 素材 | 1.374568 | 815,253 |
13 | Hanesbrands Inc. | HBI | 一般消費財 | 1.372408 | 1,784,557 |
14 | Welltower Inc. | WELL | 不動産 | 1.363510 | 484,825 |
15 | Fifth Third Bancorp | FITB | 金融 | 1.354990 | 1,272,892 |
16 | Realty Income Corporation | O | 不動産 | 1.353977 | 434,171 |
17 | Williams Companies Inc. | WMB | エネルギー | 1.342957 | 1,294,741 |
18 | Regions Financial Corporation | RF | 金融 | 1.333694 | 2,277,691 |
19 | SL Green Realty Corp. | SLG | 不動産 | 1.328766 | 535,597 |
20 | CenturyLink Inc. | LUMN | 通信 | 1.322934 | 2,470,869 |
SPYD連続減配
SPYDは前述のとおり高配当銘柄として人気があり、2019年12月配当までは増配を続けていましたが、コロナショックで経済状況が悪化したことにより2020年3月に減配が発生。
その後の6月も減配が続き今回なんとか維持してほしいと考えていたのですが、2020年9月も引き続き減配となりついに$0.30代も割り込んでしまいました。
配当日 | 配当金 |
2020年9月23日 | $0.2636 |
2020年6月22日 | $0.3657 |
2020年3月23日 | $0.3961 |
2019年12月23日 | $0.4971 |
2019年9 月23日 | $0.4476 |
保有している人はどうすればいいの
株式投資している方は購入した際に目的や利益水準を検討して購入されたかと思います。アメリカ市場がハイテク銘柄を中心に不安定な状況を示していますが、個人個人の目的や目標などから逸れない限り当初の方針を変更する必要はないかと思います。
実はカバタもこのSPYDを保有しているのですが、当然配当水準が下がることも想定して購入しているのでしばらくは保有し続けようかと思います。(もちろん配当が下がってしまったのは大変悲しいです)
まとめ
高配当銘柄として人気のSPYD。残念ながら連続減配となってしまいましたが、投資は好不調があって当然。皆さんも自己責任・自己判断で慎重に投資を行いましょう。