以前の記事で支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けて管理することについて説明しました。集計したけど「どう使っていけばいいの?」「集計だけすればいいのか?」「あ~浪費が多いな~。でもまぁいっか」などと感じている人に、今回はこの結果をどのように活用していくのかを解説します。
まずは結果の確認
支出を「消費」「浪費」「投資」の3つに分けて集計してもらいました。これは自分の支出を3つのカテゴリーに分けて整理してもらうことで、始めるのが大変な家計簿を簡単に始められる方法をお伝えました。
では今回は前回3つに分けてみた結果を確認のどう活用していくかを説明します。思った以上に浪費が多かったのではないのでしょうか?カバタも家計簿をつけ始めた始めた月は思っていた以上にコンビニでの買い物が多く「浪費」の項目が高かかった記憶があります。
金額そのものの数値も大切ですが、それ以上に確認する必要があるのが手取りに占める割合です。手取りの意味についてはこの記事で解説しているので、確認してくだいさい。お金の数字を確認するときは金額に加えて、割合(比率)の考え方も大切なので、意識しておきましょう。
集計後の確認・活用について
例えば、都内在住一人暮らし手取り収入が20万円の人の場合を例にとって考えてみましょう。手取り収入20万円ということは税金や健康保険料など法律で定められた金額を除いた金額なので気を付けてください。
では、3つのパターン分けて支出の傾向を確認してみましょう。自分がどのパターンに近いか確認してみてください。なお、この3パターンは何も家計管理していない方がこのような家計であった場合の参考数値です。
【バランス型】消費70% 浪費10% 投資 20%
このカテゴリーに入る方は3つの支出のバランスが取れている方で、いまをそれなりに楽しみつつ、将来に向かってもある程度備えができている家計です。手取りの70%を住居費や食費、10%を自分の小遣いや飲み会代、20%を貯金や投資に回しているような方です。では具体的なイメージを見てみましょう
項目 | 金額 | 備考 |
消費 | ||
住居費(家賃) | 60,000 | ターミナル駅からは離れているが、そこそこ便利な1Kアパート |
食費 | 30,000 | 外食費を除いた、食材購入費用 |
水道光熱費 | 8,000 | 水道、電気、ガス、灯油代 |
通信費 | 7,000 | 固定・携帯電話、インターネット回線料金 |
日用雑貨 | 10,000 | シャンプー、歯磨き粉、キッチン用品など |
服飾費 | 10,000 | |
医療費 | 3,000 | 病院での支払い、薬局で購入した薬代など |
交通費 | 4,000 | 電車、バス、タクシー代など(会社から支給される定期代は除く) |
民間保険料 | 3,000 | 厚生年金など国のルールに基づいて給与天引きされているもではない |
交際費 | 5,000 | 冠婚葬祭費用や飲み会代など |
消費合計 | 140,000 | |
浪費 | ||
小遣い | 20,000 | 趣味、飲み会や外食費なども含む |
浪費合計 | 20,000 | |
投資 | ||
貯金 | 20,000 | |
自己投資 | 10,000 | 書籍代やスクールなど自分の成長のために使う費用 |
投資信託 | 10,000 | |
投資合計 | 40,000 | |
合計 | 200,000 |
【エンジョイ型(浪費型)】消費60%、浪費40%、投資0%
このカテゴリーに近い方は人生を楽しんでいる、なんとなくお金を使い切っている方が多くみられます。健康で収入が安定しているうちは問題はありませんが、病気や失業など思いもかけない状況になった場合は一気に生活が苦しくなってしまいます。
項目 | 金額 | 備考 |
消費 | ||
住居費(家賃) | 60,000 | ターミナル駅からは離れているが、そこそこ便利な1Kアパート |
食費 | 10,000 | 外食費を除いた、食材購入費用 |
水道光熱費 | 8,000 | 水道、電気、ガス、灯油代 |
通信費 | 7,000 | 固定・携帯電話、インターネット回線料金 |
日用雑貨 | 10,000 | シャンプー、歯磨き粉、キッチン用品など |
服飾費 | 10,000 | |
医療費 | 3,000 | 病院での支払い、薬局で購入した薬代など |
交通費 | 4,000 | 電車、バス、タクシー代など(会社から支給される定期代は除く) |
民間保険料 | 3,000 | 厚生年金など国のルールに基づいて給与天引きされているもではない |
交際費 | 5,000 | 冠婚葬祭費用や飲み会代など |
消費合計 | 120,000 | |
浪費 | ||
小遣い | 20,000 | 欲しいものをとりあえず買う。タバコなどもここに。 |
飲み会代 | 20,000 | 毎週末友達との飲み会代 |
趣味 | 20,000 | 趣味を充実させたいので小遣いとは別に |
外食費 | 20,000 | 自分で作るのは面倒なので基本は外食 |
浪費合計 | 80,000 | |
投資 | ||
貯金 | 0 | |
自己投資 | 0 | |
投資信託 | 0 | |
投資合計 | 0 | 趣味につぎ込んでいるので貯金は0 |
合計 | 200,000 |
【倹約型】消費50%、浪費5%、投資45%
このカテゴリーに入る人はかなりの倹約家です。いまよりも将来のためにお金を貯めたり自己投資にあてています。失業などの思いもかけないイベントなども乗り越えることができる可能性が高いです。
ただし、住居費や小遣いなどはかなり削っているので、慣れていないとかなり息苦しい生活となっています。
項目 | 金額 | 備考 |
消費 | ||
住居費(家賃) | 40,000 | 駅からは離れた家や築年数がたった物件 |
食費 | 30,000 | 外食費を除いた、食材購入費用 |
水道光熱費 | 6,000 | 水道、電気、ガス、灯油代 |
通信費 | 5,000 | 固定・携帯電話、インターネット回線料金 |
日用雑貨 | 5,000 | シャンプー、歯磨き粉、キッチン用品など |
服飾費 | 2,000 | |
医療費 | 3,000 | 病院での支払い、薬局で購入した薬代など |
交通費 | 4,000 | 電車、バス、タクシー代など(会社から支給される定期代は除く) |
民間保険料 | 3,000 | 厚生年金など国のルールに基づいて給与天引きされているもではない |
交際費 | 3,000 | 冠婚葬祭費用や飲み会代など |
消費合計 | 100,000 | |
浪費 | ||
小遣い | 10,000 | 趣味、飲み会や外食費なども含む |
浪費合計 | 10,000 | |
投資 | ||
貯金 | 50,000 | |
自己投資 | 10,000 | 書籍代やスクール代など自分を成長させる費用 |
投資信託 | 30,000 | |
投資合計 | 90,000 | |
合計 | 200,000 |
どのように改善していくか
まずはバランス型を目指す
みなさはどのカテゴリーに近かったでしょうか。お金の使い方に正解はありません。なぜなら、お金の使い方はその人の価値観そのものだからです。なので、自分では無駄遣いではないと考えていても、他人から見ると贅沢そのものということもあり得ます。
上記のカテゴリーで浪費型に近い家計だった人はまず「バランス型」の家計を目指してみましょう。貯金を増やしたいからといって「倹約型」を目指してもすぐに挫折してしまいます。
3つの支出をさらに2つに分ける
では、どのように改善していくかというと、まず意識すべきは3つの支出の各項目で自分が生きる中で「本当に必要なお金」と「人生を充実させるお金」を分けることです。浪費型の方は「人生を充実させるお金」を「本当に必要なお金」と混同する傾向があります。
「本当に必要なお金」とは住居費、食費(食材費)、水道光熱費など、人として必要最低限なお金のことで、それ以外を「人生を充実させるお金」ととして整理します。その後、自分として本当に譲れないものを残してその他は可能な限り減らしていきましょう。
急には難しいですが、3か月もすれば「本当に必要なお金」と「人生を充実させるお金」を区別することができるようになるはずです。キツイのは最初の1か月だと思いますが、まずは3か月を目標にお金の使い方のトレーニングをしてみましょう。
- 3つの支出(消費/浪費/投資)をさらに「本当に必要なお金」と「人生を充実させるお金」に分ける。
- このうち「人生を充実させるお金」を減らし、可能な限りバランス型家計に近づける。
まとめ
少し長くなりましたが、家計改善方法について説明ました。自分の家計が浪費型であった場合は家計改善のために3つの支出をさらに分けて整理して、可能な限り無駄な支出を減らしていきましょう。
- 自分の家計がどのカテゴリーに分類されるか確認する。
- 浪費型だった場合は自分の支出をさらに「本当に必要なお金」と「人生を充実させるお金」に分ける。
- 「人生を充実させるお金」を可能な限り減らしていき、バランス型家計に近づける。
- 家計は比率で考えよう。
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